Shopifyとは何か?(Shopify入門)

ネットショップに最適なShopifyとは?

BASESTORE.jpといった個人でも簡単にECサイトが構築できるサービスがありますが、機能面で足りない部分があったり、かといって企業ECサイトのようにEC CUBEMagentoのようにがっつり予算を組んで開発できない。。。などECサイト開設(リプレイス)時の悩みはつきません。

本記事では、そういったネットショップの開設・運営における様々な課題をいい感じに解決する”Shopify”について

・ECサイトを開きたい個人の方
・企業のECサイト担当者

を対象に説明しています。

(目次)
・shopify概要
・コストについて
・サイトデザイン
・セキュリティ
・SEO、マーケティング
・海外対応

Shopifyとは?

Shopifyはネットショップ運営に必要なものが(すべて?)揃っているオールインワンのECプラットフォーム。(クラウド上のEC運営サービス)

・サーバーはshopifyサーバーを使用
(堅牢、セキュリティ安心、自社サーバより保守コスト安)

・追加機能はアプリ
(シンプルな機能から複雑なカスタム”例:外部システム連携など”も可能)

・小規模〜大規模のECサイト開発・運営が可能

といった特徴があります。

shopifyの堅牢なサーバ上に自分(自社)のECサイトを開設でき、様々な追加機能のアプリ(wordpressでいえばプラグイン)でカスタマイズできる小規模〜大規模まで対応したECプラットフォームサービスなのでECプラットフォームとしてのシェアも伸ばしつつ(世界175カ国の80万店舗)、日本語化対応なども進められてきているので少しずつ出会う機会も増えています。

shopifyの事例

例:
Minimal -Bean to Bar Chocolate-
The New York Times Store

他にも
「キューピー」、老舗和菓子店「とらや」、靴下専門店「Tabio」といった企業もShopifyを利用しています。

Shopifyでは、オンラインネットショップのフロントデザイン(サイトの見た目)はもちろん、様々な決済、商品や顧客情報の管理、マーケティング、売上分析、多言語対応など、ショップ運営者が「ほしい」と感じる機能がオールインワンで提供されています。

ここからは具体的にshopifyの特徴を見てみましょう。
(筆者がshopify開発の仕事をしていることもあり、やや贔屓目になっています。もちろんデメリットも書いてます。)

1.初期費用は無料〜、運用コストは月額料金+

まず、オンラインショップの開設において初期費用をいくらかけるのか。サイトの規模にもよりますが、フルスクラッチで制作会社に依頼した場合、初期費用で数百万円以上かかり、開発・設計に数ヶ月、その後は保守・運用で運用費用がかかるということがありがちなパターンです。

・初期費用(自分でやれば無料)
ShopifyはSaaSサービスのため、月額使用料の中にサーバーやシステムのホスティング費が含まれています。つまり、サーバー構築(自社クラウドなど)、システム構築といった初期費用は必要はなく、登録したその日からショップを始めることができます。ただし、デザイン制作や外部システム連携などは開発会社に委託する必要があります。

・運用コスト(月額料金と決済手数料がメイン)
shopifyの利用料は現在(2019年4月現在)下記のようになっています。

他には

アプリの利用料(500円〜〇〇万円) ←追加するアプリごとに異なる
保守料(開発会社に保守等を委託する場合)

などが必要な運用コストになります。自社でサーバを用意しなくてよいので、ec cubeなどよりもコストが抑えられる印象があります。

2. 豊富なデザインテンプレが無料〜、独自デザインもok

Shopifyには世界中のデザイナーが作成した100種以上のサイトデザインがテーマストアに用意されており、ほとんどがレスポンシブ対応なので、スマホユーザーを対象にしたサイトでもデザインでつまずくことは少ないでしょう。

デザインのカスタマイズは、管理画面からGUI操作はもちろん、基礎的なWEB制作知識があれば、HTML/CSS/JavaScriptを編集して、より自由度の高いカスタマイズが可能です。

また、自社テーマの開発をすることで自社だけのデザインを作成し、ブランドイメージを反映させることも可能です。

3. システム管理が楽、shopifyサーバなのでセキュリティも安心

自社でサーバを用意する場合、サイト表示スピードの改善、セキュリティ対策、システムのモニタリング…そして、脆弱性対策のアップデート(!)サイト管理者を悩ませる問題です。

Shopifyでは比較的容易にECサイト運営にありがちな脆弱性対策やシステムアップデートといった課題を解決できます。

3.1. サイト表示速度はshopifyのFastlyのCDNなのでそこそこ早い

ECサイトのユーザエクスペリエンスの鍵とも言える、サイト表示速度ですが、ShopifyではFastlyを利用したCDNによって比較的高速なサイト表示が可能です。(独自の開発を入れる場合、その速度影響もありますが)
また、Shopifyはどのプランでも帯域無制限(!)のため、ネットショップへの訪問者の数やトラフィック増による利用制限はありません。

3.2. セキュリティ対策

Shopifyではhackeroneを利用しハッカーに脆弱性報酬金プログラムの提供がされているので、世界中のハッカーたちがShopifyサーバのセキュリティの向上に取り組んでいます。またPCIレベル1準拠なので、お客さまの大切なクレジットカード情報を自社で管理する必要がありません。
また、Shopifyはクラウド型サービスのため、システムは自動アップデートされ常に最新状態を保つことが可能です。

3.3. システムのモニタリング(死活監視)

shopifyは稼働率99.8%で24時間365日システムを監視しており、稼働状況等のモニタリング結果も公開されています。万が一のインシデント発生時も即時通知を受け取ることが可能です。
https://status.shopify.com/

4. ネットショップに必要な機能がだいたい揃う

shopifyでは登録したその日からすぐに販売を開始することができます。
決済・会計・在庫・受注・配送・在庫管理などの機能が予め用意されてるからです。
また、それらの機能の管理も簡単で、アプリshopifyのAPIをつかった拡張により、さらに細やかな要件の機能を追加することも可能です。

ShopifyのAPIを使用すれば、物流システムとの連携やshopify以外の販路の管理システムとの連携など様々なことができます。

5. SEOも標準、マーケティング機能もある

ネットショップの売上を向上させていくためには、マーケティングが必須となります。
Shopifyでは、検索結果を上位にするための検索エンジン最適化(SEO)機能を始め、売上分析、顧客分析、Googleアナリティクスと連携したアクセス分析など、ネットショップのマーケティングに必要な機能を集約して提供し、ネットショップとしての成長に貢献します。

6. 「越境EC」も簡単

ネットショップのターゲットとして海外を視野に入れている場合、まず、決済に関しては、初期設定でPayPalのエクスプレスチェックアウトが実装されており、クレジットカード決済のStripeの導入も容易です。また、言語、通貨、配送に関して、多言語(言語別サイト切替、自動翻訳)対応アプリ、通貨表示アプリ、海外配送対応(送り状作成、送料計算)アプリを組み合わせて利用することで、柔軟に海外対応を実現します。

Shopify利用における注意点(デメリット)

1. 英語耐性が必要

Shopifyはカナダ発のECプラットフォームであるため、英語のドキュメントが多数あります。例えば、さきほど「システムのモニタリング」の項目でご紹介したステムの稼働状況のモニタリング結果のページも英語記載されています。また、管理画面の日本語化も現在(2019年4月)β版です。開発が必要な場合、ドキュメントも英語です。

2. 開発が必要な場合もある=月額料金以外のコスト発生

ここまでShopifyのことをネットショップに必要な機能をオールインワンにしたECプラットフォームという書き方をしてきましたが、ショップの要件によっては開発費が発生する場合もあります。(これはどのサービスでも同じですが)

例)市販のアプリにない機能開発が欲しい
例)テンプレートになデザインのショップにしたい
例)外部のシステムとAPIで連携したい

…など

まとめ

ここまで、ネットショップ開設〜運用における課題とその課題に対するShopifyの解決へのアプローチ、また、Shopify利用上の注意点について説明してきました。
Shopifyは、日本においてはECプラットフォームのデファクトスタンダードとはまだ言えませんが、下記の通り、機能性・デザイン性・コスト面などのトータルバランスが良く、今後日本でもシェアを拡げていくと思います。

・月額課金制で最低限の費用でショップをオープンできる
・豊富なデザインテンプレートあり
・すべてのプランで高セキュリティのホスティング
・ショップの運営をサポート!ネットショップ運営に必要な機能の提供
・SEOやマーケティング機能も用意されている
・決済、言語、通貨、配送の海外対応が簡単

以上です。
長くなりましたがここまでお読みいただきありがとうございました!

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また、本シリーズの執筆をお手伝いいただいている小林瞳美さんに、ここで感謝申し上げます。